- グリーンボンドは、国際原則や環境省ガイドラインで掲げるグリーンボンドの核となる4つの要素(調達資金の使途、プロジェクトの評価と選定のプロセス、調達資金の管理、レポーティング)に適合している必要があります。
- また、発行体は、グリーンボンドが上記4つの要素に適合しているかについて、グリーンボンド・フレームワーク又は目論見書等の法定書類で説明し、外部レビューを活用することが重要な推奨項目となっています。
❷ プロジェクトの評価と選定のプロセス
発行体は、適格なグリーンプロジェクトの環境面での持続可能性に係る目標(Objective)、発行体が、対象となるプロジェクトが適格なグリーンプロジェクトの分類に含まれると判断するプロセス(Process)、及びプロジェクトに付随すると認識される社会的、環境的リスクを特定・管理するプロセスについての補完情報を、事前に投資家に説明すべきです。
なお、グリーンボンドにより調達される資金の充当対象となる個別のグリーンプロジェクトが決定していない場合には、調達資金の充当対象とするグリーンプロジェクトが環境面での持続可能性に係る目標に合致すると判断するための規準(Criteria)についても策定し、事前に投資家に説明すべきです。
また、発行体は上記の情報を、発行体の環境面での持続可能性に関する包括的な目的、戦略、プロセス(中期経営計画、サステナビリティ戦略等)の文脈の中に位置づけることが奨励されます。
事前に投資家へ説明すべき事項
- 適格なグリーンプロジェクトの環境面での持続可能性に係る目標
- 調達した資金を活用して、「気候変動の緩和・適応」や「生物多様性の保全」など環境面での改善について具体的にどのような効果を目指すのか、それらが自社の事業・計画・目標とどのような関わりがあるのかについて説明します。
- 適格なグリーンプロジェクトの分類に含まれると判断するプロセス
- 発行体は、プロジェクト評価・選定を行う際の判断根拠となる規準に基づいて、どの部署でどのように評価・選定を行うのか、どの部署でその適切性を検証するのか、など具体的なプロジェクトの選定プロセスを説明します。
- 関連するプロジェクトに付随すると認識される社会的、環境的リスクを特定・管理するプロセス
- 環境・社会リスクの特定・緩和・管理に関するプロセスとは、当該プロジェクトの実施にあたり、環境・社会へ重要な負の影響、環境・社会リスクを伴うかどうかについて特定し、緩和・管理を行うことを意味します。グリーンプロジェクトが、本来の環境改善効果とは別に、付随的に、環境・社会に対してネガティブな効果を持つ場合には、投資家その他の関係者が適切に評価出来るよう、発行体は、そのネガティブな効果の評価や、対応の考え方等も併せて説明すべきです。
- グリーンプロジェクト評価・選定を行う際の判断根拠となる規準
- 発行体は、環境面での目標に照らして具体的なプロジェクトを評価・選定する際の判断の根拠となる規準を説明します。環境面の目標として設定した内容(例:気候変動の緩和・適応)と整合するプロジェクト(例:温室効果ガス排出削減効果のある再生可能エネルギー事業)が選定されるように、具体的な判断規準を設定し、投資家に公開することが期待されます。