2018 年9月、世界最大のアセットマネジャーであるBlackRockは、「ブラックロック世界保険レポート 2018年」を発表しました。同レポートは、保険会社の投資戦略の見通し及び投資家機運を調査したものです。調査は、オンラインサーベイ、電話、インタビューなどを通じて行われ、27カ国の保険・再保険会社の372人の役員からの回答を基にまとめられました(内訳は、アジア太平洋113社、ヨーロッパ・中東・アフリカ154社、ラテンアメリカ30社、北アメリカ75社)。以下は、同レポートのグリーンボンドに関わる事項です。
- 83%の保険会社が自社にとってESG投資政策が重要であると考えている。来年にはESG投資政策を策定予定の保険会社、および、ESG投資政策を策定済みの保険会社を合計すると、80%に上る。
- 41%の保険会社が、ESG投資およびグリーンボンド投資を増加する予定であると回答している(昨年は13%)。この数字の地域別の割合は、アジアでは34%(昨年13%)、北アメリカ55%(昨年20%)、ラテンアメリカ53%(昨年7%)である。
- この背景には、ESG投資戦略に注目が集まっていること、また、環境・気候リスクへの懸念が急速に高まってきていることがあげられる。グリーンボンドについては、投資と環境の二つの目的が効果的に達成できるため、このように注目を集めていることは合理的である。
- グリーンボンドは、利回りの観点からは、グリーンボンドではない通常の債権と比較して良くも悪くもなく、価格の観点からは両者は非常に似ていることが証明されている。
BlackRock ‘Global Insurance Report 2018’を基に環境省作成