EUでは、2018年に採択した「サステナブルファイナンス・アクションプラン」に基づき、これまで3年間、グリーンな活動を定義するEUタクソノミーの制定を軸に、グリーンボンドに関する検討などを含むサステナブルファイナンス促進に資する取組を進めてきた。さらに2021年7月には、当アクションプランを更新する新たな戦略として、「サステナブル経済への移行に向けたファイナンス戦略」が採択され、今後は、この新しい戦略に基づいて活動が行われることとなる。資料1(EUサステナブルファイナンス戦略の動向)では、これまでの振り返りとして、既存のアクションプランに基づいて、直近3年間にどのような取組や法規制が検討・策定されてきたかを総括する。
また、この既存のアクションプランでは、サステナブルファイナンスに関する情報開示が重要な要素の1つとなっており、3つの法規則により複数の観点から整備されようとしている。具体的には、①「タクソノミー規則」ではサステナビリティ情報の中でもタクソノミーに関連する情報開示を規定し、②「金融機関に対するサステナブリティ情報開示規則(SFDR)」では、金融機関の組織や金融商品に関連するサステナビリティ情報開示を、③「企業に対するサステナビリティ情報開示指令(CSRD)」提案では、大企業・上場企業の事業活動に関連するサステナビリティ情報開示を規定するもので、それぞれが有機的に関連する構造となっている。資料2(タクソノミー規則・SFDR・CSRDの概要)では、この3つの規則の関係性を説明した上で、各規則の内容を説明する。