海外での組成事例 ACCIONA（スペイン、インフラ）：
グリーンローン概要

• ACCIONA社の野心的な取組を支えるため、同社は、気候変動、循環経済、水管理、生物多様性などの主要分野における行動と目標のロードマップとなる5年間のサステナビリティ・マスタープラン（SMP）に基づく戦略を策定。

• 「グリーン・ファイナンシング・フレームワーク」は2019年に、「サステナビリティ・リンク・ファイナス・フレームワーク」は2021年（2022年更新）にそれぞれ発表された。「サステナブル・インパクト・ファイナンス・フレームワーク」は2023年6月に作成されたが、これは、これらの過去の２つのフレームワークに、ローカル・インパクト・イニシアチブを追加したものである。
• 以下は、「サステナブル・インパクト・ファイナンス・フレームワーク」におけるグリーン金融商品（グリーンボンド、及び、グリーンローン）（タイプ１）の概要である。

• 資金使途はEUタクソノミーと整合性を取る。対象グリーンプロジェクト／活動は、再エネー、送電、配電、蓄電、ゼロエミッション輸送、上下水道・廃棄物の浄化、グリーンビル、GHG排出削減の研究開発である。対象プロジェクトには、設備投資（CapEx）と運営費（OpEx）が含まれる。原子力又は化石燃料由来のガスに関連する活動は対象外。
• EUタクソノミーに従い、全プロジェクトは「重大な損害を与えない（DNSH）」要件を満たし、社会セーフガードの最低基準を遵守していなければならない。
• リファイナンスのルックバック期間は、CapExの場合は発行から3年以内、OpExの場合は2年以内。

• 全プロジェクトは、ACCIONAのサステナブルファイナンス委員会が選定し、四半期ごとに評価する。

• 適格プロジェクトへの投資を追跡するための登録簿を作成する。調達資金は、開発又は稼働中の適格グリーンプロジェクト、資産、サービスへの資金又はリファイナンスに充当する。

• 資金使途とインパクトに関するレポーティングを作成し、毎年開示する。資金使途については、プロジェクトリスト、資金配分額（リファイナンス比率等）、地域配分、EUタクソノミーに則したグリーンプロジェクトであることの外部評価などを開示。
• インパクトに関しては、ICMAのインパクトレポーティングのフレームワークに基づいて情報を開示する。

• DNVは、2023年6月にICMAのグリーンボンド原則とフレームワークの整合性を確認するSPOを発行した。検証（発行後）も予定している。

• ACCIONAは、脱炭素化戦略を推進するため、地域レベルでの環境及び/又は社会インパクトを推進するイニチアチブを導入。タイプ２の商品は、グリーン金融商品（タイプ１）に地域インパクトイニシアチブを加えたものである。
• 以下は、タイプ２の商品のうち、地域レベルのイニシアチブに関する概要である。

• 近隣の女性や弱者への認証技術トレー二ングを支援した時間

• 途上国の地方において、新たに電気へのアクセスができるようになった世帯数

• ネットポジティブを目指し、自然に根差した解決策（NbS）として植林した木の本数

• 中小企業向けの脱炭素計画の作成支援数

• 早期採用プログラム（調達する鉄、セメント、コンクリートが、ゼロ／低炭素である件数）

• 豪州クイーンズランドの農家の脱炭素計画作成数

• 地域インパクト指標（KPI）に基づく地域SPTsは、基本的に、上記の地域インパクト指標から取引毎に選定される。

• 年毎に設定される地域SPTsを達成した場合、クーポンの割引が発生するが、割引によって節約された資金は地域インパクト指標にある活動の達成に使われる。
• 最終年において、（累積の）地域SPTsが達成されなかった場合、ACCIONAは罰則として、目指している地域インパクトとのギャップを埋めるために第三者機関に資金提供し、貢献する。

• 資金使途と地域SPTsに関する「サステナブルファイナンス報告書」を毎年発行する。

「サステナブルファイナンス報告書」に記載されている、地域インパクト指標・目標、及び、コミットメントについて、第三者による検証を毎年実施する。