ポイント

金融機関への包括的ファイナンスを通じた中小企業支援のグリーンローン

  • 欧州復興開発銀行(EBRD)による、 セルビアの金融機関Banca Intesa Belgrade(BIB)社への包括的ファイナンスパッケージ通じた中小企業を支援するグリーンローン。BIBは、イタリアの銀行グループであるIntesa Sanpaolo Groupのメンバーで、セルビアでリテールおよびコーポレートバンキングサービスを提供する大手銀行の一つローン額の10%を、EBRD方針である「グリーン経済移行アプローチ」と整合的なプロジェクトに充当予定。また、ファイナンスパッケージの一環として、借り手であるBIB社は、パリ協定と整合的な気候を考慮した移行計画の策定にコミット。

詳細

発行概要   実行年月 額(百万USD) 融資期間 利率
1 2023/3/30 10 - -
2

上記のグリーンローンは、BIB社による初のサステナブル金融商品。
EBRDではグリーンローンと称してはいないが、Environmental Finance社のデータベースでは、グリーンローンとして分類されている。

サステナビリティ計画との関係
  • BIB社のサステナビリティ計画は同社のウェブサイトで確認できない。ただし、BIB社が属するIntesa Sanpaolo Groupは、2022-25年事業計画で2050年までのネットゼロ・エミッション目標の達成、及び、2021-2年で320億ユーロのESG/気候変動に関連する顧客支援を目指している。
  • EBRDは「グリーン経済移行アプローチ」の下、2025年までにグリーンファイナンスを年間事業量の50%以上に引き上げること、また、5年間で少なくとも2,500万トンのGHG排出量を削減することを目指す。同アプローチでは、低炭素でレジリエントな経済への移行を以下の3つの方法によって支援する。本グリーンローンの調達資金は、同アプローチと整合的なプロジェクトに充当される。
    • パリ協定に照らしたプロジェクトの評価
    • 長期低炭素戦略の策定と金融システムのグリーン化のための政策関与強化
    • 金融セクターのグリーン化、エネルギーシステム、産業の脱炭素化、都市と環境インフラ、持続可能な食料システム、グリーンビルディング、持続可能な接続性など、環境、緩和、レジリエンスの優先テーマへの投資拡大
フレームワーク

借り手であるBIBのフレームワークは確認できない。資金使途は、レンダーであるEBRDのグリーン経済移行アプローチに準拠する。

調達資金の使途
  • EBRDのグリーン経済移行アプローチの下、緩和については、多国間開発銀行(MDBs)およびEBRDの緩和活動に関するポジティブリストとの整合性があるプロジェクトに充当される。GHG排出の削減あるいはGHG排出の隔離のいずれかに貢献する活動が該当する。
プロジェクト評価及び選定プロセス
  • EBRDの方針に基づくと考えられるが、本ローンに関する事業の詳細情報が確認できず。
調達資金の管理
  • EBRDの方針に基づくと考えられるが、本ローンに関する事業の詳細情報が確認できず。
レポーティング
  • EBRDの方針に基づくと考えられるが、本ローンに関する事業の詳細情報が確認できず。
外部レビュー
  • EBRDの方針に基づくと考えられるが、本ローンに関する事業の詳細情報が確認できず。
  • 出所:Environmental Finance Data (2023) “Borrower: Banca Intesa Belgrade”、 EBRD (2023) “EBRD and Banca Intesa support SMEs in Serbia”、EBRD(2023)“What is the EBRD’s Green Economy Transition approach?”, EBRD(2018) “Implementing the EBRD Green Economy Transition Technical Guide for Consultants”、Intesa Sanpaolo Group “Sustainability”等を基に環境省作成