ポイント
貸手である銀行が中小企業向けに開発した不動産関連事業者向けサステナブル・ファイナンス・フレームワークを活用した事例
- Teambuild Engineering & Constructionは、従業員約350人を擁するシンガポールの中小建設事業者である。
- 2019年10月、同社初のグリーンローンを調達した。融資総額は、同時に融資を受けたLucrum Capitalの金額と合わせて103万USDである。
- 主な資金使途は、建設・プレハブ工法ハブ(ICPH)の新設である。この建物には、壁面緑化、エネルギー管理システム、屋上太陽光発電施設(58.6MW)が含まれる。
- 融資は、レンダーであるユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)が開発した、データセンター、ホテル、工業用・住宅用不動産、オフィス、レストラン、小売スペース等の不動産資産を所有・管理する企業向けフレームワーク「UOB Real Estate Sustainable Finance Framework」に基づいている。同フレームワークは、ローン市場協会(LMA)発行の「グリーンローン原則」「サステナブルリンクローン原則」に沿った内容となっており、企業がグリーンローンやサステナビリティ・リンク・ローンによる調達に際しての要件となる、持続可能性戦略、目的、格付、業績目標を含む適格基準等を定めている。これにより、リソースが限定的な場合が多い中小企業(SME)がグリーンローン(GL)やサステナビリティリンクローン(SLL)を利用しやすくなるとしている。なお同行は、当該フレームワークに基づき、借り手である企業のパフォーマンス、借り手と合意した持続可能性指標の継続的なチェックを行う。
- 同社は、従前からの建設業界における環境配慮の取組が認められ、シンガポール政府より「2018 BCA Construction Green and Gracious Award」「2018 BCA Green mark Platinum Award」を受賞した実績がある。
- シンガポールでは、建築建設庁(BCA)が、2030年までに建物の80%をグリーン認証するという目標を設定しており、同行のフレームワークの下でサステナブルファイナンスを提供することで、より多くの中小企業による持続可能な建築物の開発を支援することが可能となる。なお、不動産以外の業界向けにも同様のフレームワークを策定する予定とのことである。
詳細
概要 | 実行年月 | 金額(百万USD) | 融資期間 | 利率 | |
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1 | 2019/10 | 103(の一部) | 不明 | 不明 | |
中長期計画との関係 |
Teambuild Engineering & Constructionによる中長期計画は確認できず。 一方、フレームワークを策定したUOBは、サステナビリティ戦略を策定している。戦略の4つの柱の一つとして「持続的成長の促進」を掲げており、具体的な取組事項として、持続可能な資金調達とインパクト投資ソリューションを開発して提供すること等を掲げている。) |
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フレームワーク |
レンダーであるUOBが開発したフレームワーク「UOB Real Estate Sustainable Finance Framework」に準拠。フレームワークの詳細は、ウェブサイトに記載なし。Teambuild Engineering & Constructionによるグリーンローン(ファイナンス)フレームワークの有無や詳細については不明。 |
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調達資金の使途 |
不明(ウェブサイトにおける情報開示確認できず) |
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プロジェクト評価及び選定プロセス |
不明(ウェブサイトにおける情報開示確認できず) |
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調達資金の管理 |
不明(ウェブサイトにおける情報開示確認できず) |
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レポーティング |
不明(ウェブサイトにおける情報開示確認できず) |
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外部レビュー |
不明(ウェブサイトにおける情報開示確認できず) |
- Environmental Finance (2020) “Green and Sustainability Linked Loans Database”、 Teambuild Engineering & Construction (2020) “Teambuild Engineering & Construction HP”等を基に環境省作成