ポイント
サステナビリティ・リンク・ボンド市場で、世界で初めて自主的にSPOを取得した事例
- ・ユーカリ植林を通じ、パルプと紙を生産するラテンアメリカ最大の企業の一つ。
- ・同社の2020年発行のサステナビリティ・リンク・ボンド(SLB)は、Environmental Finance社の2021年のボンド・アワードにおいて「サステナビリティ・リンク・ボンド」部門を受賞。
- ・同社の2020年のSLBは、アメリカ大陸、新興市場、パルプ・製紙業界で初めての発行である。また、SLBとして世界で初めてセカンド・パーティ・オピニオン(SPO)を得た(2020年9月、ISS ESG)。
- ・2020年の発行に先立ち、2020年8月、サステナビリティ・リンク証券フレームワークを策定。2021年7月の発行前の2021年6月にも、異なるKPIs、SPTsによるサステナビリティ・リンク証券フレームワークを策定。
詳細
発行概要 | 発行年月 | 額(百万USD) | 償還期日 | 利率 | |
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1 | 2021/7 | 1000 | 2032/1 | 3.13% | |
2 | 2020/11 | 500 | 2031/1 | 3.75% | |
3 | 2020/9 | 750 | 2031/1 | 3.75% | |
国際資本市場協会(ICMA)のサステナビリティ・リンク・ボンド原則に基づき、サステナビリティ・リンク証券フレームワークを策定。2020年の発行分については2020年8月に、2021年の発行については2021年6月に、それぞれサステナビリティ・リンク証券フレームワークを策定。いずれも、ISS ESGよりSPOを取得。以下は、全て2020年の発行に関する情報。 | |||||
サステナビリティ計画との関係 |
以下は、Suzano社のサステナビリティ戦略の優先事項。このうち、GHG排出原単位の目標が、同社が発行したSLBのSPTsに関連づけられている。
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SPTs |
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KPIs | ・tCO2e/製品生産トン(紙・パルプ)(スコープ1およびスコープ2排出量) | ||||
債券の特性 | ・SPTを達成できなかった場合、例えば1度のみ25bpsのクーポンステップアップなど、クーポンの調整 | ||||
レポーティング | ・毎年、クーポン調整に影響を与えるSPTsのパフォーマンスに関連する情報について、サステナビリティ年次報告書に記載し、開示(例:KPIsのパフォーマンス、SPTsに関する外部検証レポート、その他SPTsのモニタリングに必要な関連情報) | ||||
検証 | ・毎年、KPIsについての、SPTに対する同社のパフォーマンスいついて、独立した外部検証を実施。検証結果は、同社のウェブサイトで公開 | ||||
外部レビュー |
・2020年9月、ISS ESGよりSPOを取得。SPOのスコープは以下の通り
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Environmental Finance (2021) “Environmental Finance's Bond Awards 2021”
ISS ESG(2021)“Second Party Opinion”
Suzano “Sustainability-linked Bond 2020” Suzano
Suzano (2020) “Sustainability-Linked Securities Framework” 等を基に環境省作成