ポイント

  • NorgesGruppen社は、ノルウェーに1,834の食料品店、1,000店の独立小売店を展開している企業。
  • 小売業として高く広範囲な2020年までの環境目標を掲げている。例えば、2020年までの物流における再生可能燃料の100%使用、ハイドロフルオロカーボン(HFCs)排出の2010年比75%削減、食料廃棄のバイオガス又は動物飼料への100%活用、包装紙や廃棄物のリサイクル率85%などである。グリーンボンドの調達資金は、輸送時の水素燃料や再生可能エネルギー発電等に充当される。

詳細

発行概要   発行年月 額(百万USD) 償還期日 利率
1 2019/2/15 46.32 2024/2/12 -
中長期計画とグリーンボンド

2020年の主要な環境目標として、以下を掲げている。

  • 物流における再生可能燃料の100%使用(2018年:34%)
  • ハイドロフルオロカーボン(HFCs)排出の2010年比75%削減(2018年:68%)
    *HFCsは、CO2の数百倍~数万倍の温室効果があるとされている。
  • エネルギー効率の2010年比18%改善(2018年:11%)
  • 同社の自家消費電力の11%を再生可能エネルギーで発電(2018年:4.5%)
  • 食料廃棄のバイオガス又は動物飼料へ100%の活用(2018年:86%)
  • 包装紙や廃棄物のリサイクル率85%(2018年:81%)

*上記の環境目標以外にも、SDGsに紐づけ、健康、ダイバーシティー関連の様々な目標を掲げている。

フレームワーク
  • 2019年1月にグリーンボンドフレームワークを策定。今後、適宜アップデートを予定。
調達資金の使途
  • クリーン交通・輸送:電気あるいは水素による輸送、水素製造設備や燃料チャージステーションといった自社インフラ
  • 再生可能エネルギー:自社消費の電力を賄うための風力、小規模(10MW以下)水力、地熱等の発電事業を対象としている。
  • グリーンビルディング:商業施設の開発・取得・リノベーション等様々な段階での建物を対象に認証取得したものを対象としている。
  • なお、除外リストを設けており、化石燃料発電、原子力発電などが含まれている。
プロジェクト評価及び選定プロセス
  • 同社の各担当部署が事業を特定し、最高財務責任者(CFO)、持続可能性部門、財務部門、事業部門の代表から成るビジネス委員会に対して候補事業として提出。ビジネス委員会が最終的に適格事業の評価をし、調達資金使途を決定。
調達資金の管理
  • 同社の「グリーンアカウント」にて管理
レポーティング
  • グリーンボンドによる調達資金の資金配分、調達資金が充当されたプロジェクト等の情報が含まれた年次レポートを発行(ただし、ノルウェー語のみ)。
外部レビュー
  • 2019年、グリーンボンドフレームワークに対してセカンドオピニオン(CICERO)
  • CBI(2019)“Data”、 NorgesGruppen (2019) “Green Bond Framework”、 NorgesGruppen (2019) “NorgesGruppen's Annual and Sustainability Report 2018”をもとに環境省作成