発行概要 |
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発行年月 |
額(百万USD) |
償還期日 |
利率 |
1 |
2017/9/6 |
715.86 |
2025/9/6 |
0.875% |
2 |
2018/9/4 |
752.83 |
2027/9/4 |
- |
3 |
2019/9/27 |
432.06 |
2035/9/27 |
- |
中長期計画とグリーンボンド |
- 2018年から2019年にかけて、SSEによる発電量のうち石炭は2%、ガス及び石油が66%、再生可能エネルギーが32%である。2019年現在、SSE社は、イギリスおよびアイルランドで4,431MWのガス火力発電を保有・操業し、また地下ガス貯蔵量の約40%を所有している。SSEは、イギリス政府の方針に沿って、2025年までに石炭火力発電からの撤退を決定する予定。
- イギリスの気候変動法(2008年)では、2050年までのネットゼロを要求し、アイルランドの気候アクションプラン(2008年)では2050年までのネットゼロ達成のための必要事項の検討をコミットしている。これらの政策策定前の2006年から、同社では炭素集約度の高いエネルギー(石炭・ガス・石油)発電からのシフトを継続し、炭素集約度を下げてきた。
- 同社はネットゼロ移行社会においてガスが重要な役割を果たすと述べ、2019年、ガスビジネスに関する中期(2023年~2030年)および長期(2031年~2050年)の複数の気候シナリオの耐性に関する詳細な情報を開示。なお、ネットゼロシナリオ下のガス火力発電においては、二酸化炭素回収・利用・貯留(CCUS)つきで位置づけられている
- SDGsに関連する2030年までの自社目標を立てている。例えば以下である。
- 発電の炭素集約度を2018年比で半減させ、約150gCO2e/kWhにまで低減する。
- 再生可能エネルギーによる発電量を年30 TWhまで引き上げる。
- 1,000万台の電気自動車に対応するためのインフラ建設
- なお、2020年までに、発電の炭素集約度を2006年比で半減させるという目標を立てていたが、2016年、2017年に達成している。
- グリーンボンドの発行は、上記の、低炭素エネルギーシステム移行支援のSSEの戦略を支持するものである。
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フレームワーク |
- 2017年と2019年にグリーンボンドフレームワークを開示している。
- 以下、特段記載がない場合には、2017年及び2019年の両方のフレームワークの記載である。
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調達資金の使途 |
- 風力発電事業および再生可能エネルギーの送電事業のリファイナンス
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プロジェクト評価及び選定プロセス |
- SSEの財務部リーダー率いる税・財務委員会(Tax and Treasury Committee)によってプロジェクト評価・選定を実施。
- プロジェクト選定の主な基準は、以下の通り。
- 環境にポジティブな影響をもたらすこと
- 発電の炭素集約度の削減に関するSSEのコミットメントをサポートすること
- SDG13(気候変動とその影響に対処するための緊急的な行動)をサポートすること
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調達資金の管理 |
- 前述の事業のリファイナンスに充当されるが、全額の充当が難しい場合には、一時的に関連銀行に預けるか、流動的マネーマーケットファンド(MMF)(外貨で運用する外貨建の投資信託)に充当。
- 上記の資金管理方法は、税・財務委員会がモニタリングを実施。
- 想定していた事業からダイベストする場合には上記の「調達資金の使途」に記載したカテゴリのプロジェクトを含める。
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レポーティング |
- 資金使途のレポートは、発行後1年以内に投資家が入手できるようにする。
- インパクトのレポートは、償還期限まで毎年、自社ウェブサイトにおいて投資家に報告する。
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外部レビュー |
- 2017年、2018年、2019年のグリーンボンド発行に対するそれぞれセカンドオピニオンを取得(DNV GL)
- 2017年及び2019年、グリーンボンドフレームワークに対するセカンドオピニオンを取得(DNV GL)
- 2018年及び2019年、レポーティングに対する保証(Assurance)を取得(PwC)
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