ポイント

  • FABEGE(ファベージュ)は、スウェーデンの不動産会社。スウェーデン国内にて不動産開発・賃貸管理などの事業を展開。ストックホルム市内では、新規オフィスビル開発の50%以上を手掛ける
  • 再生可能エネルギー100%達成、BREEAM認証100%取得、2020年までに資金調達の方法の100%グリーン化を目指すなど、野心的な中長期計画
  • 上記を目指す中で、保有不動産の全てについて環境面の評価を実施
  • 2019年にグリーンボンドフレームワークをグリーンファイナンシングフレームワークへと更新
  • グリーンボンド(主にミディアムタームノート(MTN))の他、グリーンコマーシャルペーパー(CP)やグリーンローンなど多様なグリーン資金調達を実施

詳細

発行概要   発行年月 額(百万USD) 償還期日 利率
1 2016/5/23 71.86 2018/5/23 3か月STIBOR+1.3%
2 2016/11/28 32.6 2018/11/28 3か月STIBOR+1.15%
3 2017/2/16 33.86 2019/9/16 3か月STIBOR+1.15%
4 2017/4/20 22.26 2020/4/20 3か月STIBOR+1.15%
5 2017/6/9 34.58 2020/6/9 3か月STIBOR+0.95%
6 2017/8/30 37.21 2021/8/30 3か月STIBOR+1.05%
2018/11/28 24.8 - 3か月STIBOR+1.05%
7 2017/9/26 73.65 2022/9/26 3か月STIBOR+1.2%
2017/10/18 12.29 2022/9/26 3か月STIBOR+1.2%
8 2018/2/28 61.21 2023/2/28 3か月STIBOR+1.10%
61.21 1.625%
9 2018/4/9 35.898 2020/4/9 0.385%
23.932 3か月STIBOR+0.75%
10 2018/4/12 27.225 2024/4/12 3か月STIBOR+1.37%
2018/4/23 27.225 2024/4/12 3か月STIBOR+1.37%
2018/5/4 47.64 2024/4/12 3か月STIBOR+1.37%
2018/5/7 6.8 2024/4/12 3か月STIBOR+1.37%
11 2018/8/30 76.832 2023/8/30 3か月STIBOR+1.13%
32.928 1.5%
12 2018/9/3 22 2025/9/3 3か月STIBOR+1.53%
2018/10/1 11 2025/9/3 3か月STIBOR+1.53%
13 2018/9/10 44.12 2021/6/10 3か月STIBOR+0.69%
14 2019/3/22 26.94 2024/6/22 3か月STIBOR+1.62%
15 2019/4/3 43.06 2023/10/3 3か月STIBOR+1.42%
16 2019/9/10 51.8 2024/9/10 3か月STIBOR+1.17%
  • 上記グリーンボンドの他、グリーンCP、グリーンローンなどでも資金調達を実施。発行残高・ローン残高等についてウェブサイトにて以下要領で情報公開(2019年9月末時点)
  クレジットライン ローン・債券残高
グリーンボンド(MTN), 百万SEK 6,850 6,850
グリーンボンド(SFF経由), 百万SEK 2,086 2,086
グリーンCP, 百万SEK 5,000 1,950
グリーンローンその他, 百万SEK 13,582 10,382
グリーン資金調達総額, 百万SEK 27,518 21,268
中長期計画とグリーンボンド

主要中期目標と進捗・達成を各年の年次報告書(サステナビリティレポート含まれる)にて公表(以下、一部事例)

  • 再生可能エネルギー100%達成
  • BREEAM認証100%取得(エクセレントレベルを目指す)
  • 新規賃貸スペースの75%をグリーンリースで
  • 2020年までに資金調達の方法の100%をグリーン化
フレームワーク
  • 2016年4月、グリーンボンドフレームワークを策定
  • 2019年6月、スウェーデンのハンデルス銀行(Handelsbanken)と協働でグリーンボンド原則(GBP)/グリーンローン原則(GLP)に沿う形で新たにグリーンファイナンシングフレームワークを策定
調達資金の使途
  • グリーンビルディング:低炭素並びに気候変動に対してレジリエンスある持続可能な経済への移行を推進する資産もしくは関連支出
プロジェクト評価及び選定プロセス
  • 選定のプロセス
    1. ① 緩和・適応などの「環境目的」に適合すること(「環境目的」については、GBPに準拠(気候変動緩和、気候変動適応、自然資源保全、生物多様性保全、汚染防止と管理))
    2. ② 化石燃料由来のエネルギーや原子力エネルギーなどの「除外項目」にあたらないこと
    3. ③ 資金の充当
    4. ④ グリーンファイナンシングフレームワークで想定する事業と貢献するSDGs目標を確認
  • 全ての対象不動産を環境面で評価。CFO / サステナビリティ責任者/ 財務部門/ グリーンファイナンシングスペシャリストで構成されるグリーンビジネス委員会(GBC)が、グリーン要件を特定不動産が順守しているかをランダムに確認。GBCは、ライフサイクルアセスメントや法令順守を含む環境面での評価を実施、資金の充当については全員にコンセンサスが必要かつサステナビリティ責任者は拒否権を持つ。グリーン資産のリストは、財務部門で管理、グリーン資金調達のキャパシティを判断するのにも用いる。
調達資金の管理
  • 資金は、基本グリーン口座もしくはグリーンポートフォリオにて管理。
レポーティング
  • レポーティングについては、ウェブサイトで毎年公開。加え、四半期ごとにグリーン資金調達の総額を公開。
外部レビュー
  • 2016年4月、グリーンボンドフレームワークを策定し、セカンドオピニオン取得(Sustainalytics)
  • 2019年6月、新たにグリーンファイナンシングフレームワークを策定し、セカンドオピニオン取得(Cicero)
  • FABEGE (2018) “Annual Report 2018”, FABEGE (2019) “Green Financing Framework”, Sustainalytics (2016) “Fabege's Green Terms: Summary of Green Terms in Fabege's Medium Term Note Prospectus and Second Opinion by Sustainalytics”, Cicero (2019) “Fabege Green Financing Second Opinion” などをもとに環境省作成