発行体名 |
Apple Inc. |
国 |
米国 |
発行(年・月) |
2017年6月 |
発行金額 |
10億米ドル |
利率 |
3% |
償還期間 |
10年 |
調達資金の使途 |
再生可能エネルギー(太陽光、風力、エネルギー貯蔵)、グリーンビルディング、エネルギー効率、水効率、リサイクル、グリーン素材商品、等 |
プロジェクトの評価及び選定のプロセス |
同社内に設置された環境政策社会イニシアティブ チームがプロジェクトの適格性を評価・決定し、調達資金の配分を推薦し、チーム長が決定する。 |
調達資金の管理 |
同社の財務部門 |
レポーティング |
グリーンボンドによる調達資金の配分、調達資金が充当されたプロジェクトの環境影響等に関する年次レポートを発行。 |
外部レビュー |
セカンドオピニオン(Sustainalytics) |
特徴等 |
- ①再生可能エネルギー、②エネルギー効率、③水、④廃棄物、⑤資源利用、に関するKPI(重要業績評価指標)に基づき、環境影響を評価。
- 同社のLisa Jackson氏、環境および政策、社会イニシアティブ担当バイスプレジデントは、「気候変動の脅威に対応し、私たちが共有する地球を守るにはビジネスコミュニティによるリーダーシップが不可欠である。」とし、世界にある自社施設で使用する電力の100%再生可能エネルギー化目標を掲げ、2016年、事業活動に用いる電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際企業ネットワーク「RE100」への参加を発表。また、iPhoneやその他のデバイスをリサイクル材料で製造するという野心的な目標を設定し、循環型経済への移行の取組みとして、いわゆる循環型サプライチェーン(Closed-Loop Supply Chain)の実現を目指している。
- 同社のグリーンボンドは、その環境問題への対応に関するコミットメントを示すものであり、地球に便益をもたらすプロジェクトへの投資と捉えている。また、同社のLisa Jackson氏は「(Apple Inc.のグリーンボンドの発行は)、投資家に本来の自分の関心や懸念事項に対する投資をする/しているということを示す良い機会を与えるだろう。」としている。
- 特に同社のサプライチェーンのグリーン化の達成に向けた取組みとして位置づけ、グリーボンドを通してリサイクル関連プロジェクトの資金調達を行い、再資源、または、リサイクルされた材料のみを使用して希土類元素を含む材料を採掘する必要性の削減と、サプライチェーン上のエネルギー効率の向上に重点を置いている。
- グリーンボンド発行による効果として、例えば、再生可能エネルギー源から計696GWhのエネルギーの生産、また、計52,400メートルトンの埋立廃棄物の回避が見込まれている。
- 2018年4月には、世界にある自社施設で使用する電力を100%再生エネルギー化したことを発表。さらに、100%クリーンエネルギーでの生産を約束したサプライヤーが新たに9社増え、全23社になったとしている。
- また、2015年のパリ協定の策定を踏まえ、グリーンボンドの発行は、温室効果ガス(GHG)排出削減への国際的な取組みを産業界がどのように先導できるかについて同社が先進的な取り組みを示し(1度目の発行)、他の企業が同社に続くように動機付けをするため(2度目の発行)、ともしている。
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