サステナビリティ目標とSPTsとの関係のモデルケース

グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2020年版では、サステナビリティ・リンク・ローンの組成にあたって必要となるSPTsの設定方法について、対象企業におけるサステナビリティ目標とSPTsの関係のモデルケースを紹介しています。

CASE 1
製造業を営む企業Aは事業戦略及び中期経営計画の中で、環境への配慮を事業課題及び事業リスク両面から重要課題と位置付けている。2℃目標達成に向けた削減目標を設定し、SBT(Science Based Targets)認定を取得。SBT に基づき事前に設定した自社の運営及び自社製品の製造に伴う温室効果ガスの削減目標をSPTsとした。
CASE 2
食品製造業を営む企業Bは事業戦略上、人の健康と持続可能な食を重要課題と位置付けている。そのため環境、社会に配慮した事業活動を行う企業を対象とした民間の認証制度による認証を得た商品の売上構成比率を一定以上とすること及びESG要因の評価をSPTs として設定した。
CASE 3
小売業を営む企業Cは企業成長と社会の発展を両立させるサステナブル経営のビジョンを掲げている。低炭素社会の実現に向けてCO2排出量の削減を積極的に行ってきており、その取組の一環としてRE100に加盟した。RE100 では事業運営に必要なエネルギーを100%再生可能エネルギーで賄うことが求められており、その達成をSPTs とした。
  • このほか具体的なSPTsの設定事例については、グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2020年版付属書6SPTsの例を参照してください。
  • モデルケースはあくまで例示であり、SPTsはこれらに限定されるものではございません。

サステナビリティ・リンク・ローン発行事例

環境省では、グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2020年版に適合し、かつ、特に環境面においてモデル性を有すると考えられるサステナビリティ・リンク・ローン若しくはこれに準ずるサステナビリティ・リンク・ボンドや、その他ガイドライン等に準ずる新たな資金調達手法の先駆的事例について情報発信すること等を通じ、サステナビリティ・リンク・ローン等を国内でさらに普及させることを目的に、サステナビリティ・リンク・ローン等モデル創出事業を実施しています。
2020年8月にはサステナビリティ・リンク・ローン等モデル創出事業の1次公募にて、ヒューリック株式会社のサステナビリティ・リンク・ボンドの発行のフレームワークについて、ガイドラインへの適合性が認められました。

MODEL1 再生可能エネルギーの利用及び耐火木造建築に関する取組み ヒューリック株式会社

  • 2020年度サステナビリティ・リンク・ローン等モデル創出事業の1次公募にて選定されました。
  • 2020年8月に、環境省及び確認機関より適合性を確認の上、発行前報告書が公表されました。

当社戦略との整合性

当社は、「変革」と「スピード」をベースに、環境変化に柔軟に対応した進化を通じて、持続的な企業価値向上を実現するグループを10年後の目指す姿としている。そのためには、「成長性」、「安全性」、「収益性」、「生産性(効率性)」を高次元でバランスしつつ、圧倒的なスピードによるダイナミックな転換を図り、さらなる成長を実現することを基本方針として掲げている。本基本方針の下、不動産賃貸事業をコア事業とし、更に時代のニーズに即した成長分野への積極的な取り組みも推進している。その一環として3Kビジネス(高齢者・健康、観光、環境)に取り組んでおり、環境課題の解決に資する事業を事業領域拡大における重要な取り組みの一つとしている。
当社は、従前より財務目標だけでなく、非財務目標も明確化しているほか、環境長期ビジョンとして、2050年の理想の社会の姿を「低炭素社会」と「循環型社会」として、環境配慮経営を推進することを挙げている。また2050年に至るロードマップとして、2030年までに2013年比45%のCO2排出量の削減を目指すことを掲げている。
当社が今般設定したSPTsは、このような積極的な環境問題への取り組みの中でも特に力を入れている、再生可能エネルギー利用の取り組みと耐火木造建築への取り組みに関するものである。

SPTs概要

  1. ①子会社を含むグループの使用電力をカバーする太陽光発電設備を開発することで、2025年までに100%再生可能エネルギー化(RE100達成)を目指す

ヒューリック株式会社ウェブサイトより引用

  1. ②当社の注力エリアである銀座において、日本初となる耐火木造12階建ての商業施設の開発(木造と鉄骨造とを組み合わせたハイブリッド構造)を行う

ヒューリック株式会社ウェブサイトより引用

用途
商業施設
所在地
銀座8丁目(JR新橋駅徒歩4分)
構造
木造+鉄骨造のハイブリッド構造
規模
地上12階、地下1階
敷地面積
251.98㎡(予定)
延床面積
2,456.54㎡(予定)
設計施工
竹中工務店
外装デザイン監修
隈研吾建築都市設計事務所
竣工
2021年10月(予定)

【貸出条件と連動するSPTs】

  1. ①2025年までにRE100の達成
  2. ②2025年までに銀座8丁目開発計画における日本初の耐火木造12階建て商業施設の竣工
  • ※2026年8月の判定時点において上記目標のいずれかが未達の場合、2026年10月利払いより+0.10%のクーポンステップアップを行う。

【貸出条件と連動せず、2026年以降モニタリング対象となるSPTs】

  1. ③2025年に達成したSPTsはその後償還期限まで維持する。維持状況について第三者評価機関(JCR)から、限定的検証報告書を毎年8月に取得、開示する。ただし、発行時点で予見し得ない状況によりRE100の維持が一時的に困難となった場合、上記検証報告書を通じ、維持困難となった状況の説明と今後の改善策について投資家に開示することとする。

確認機関

株式会社日本格付研究所
イー・アンド・イー ソリューションズ株式会社

発行前報告書

発行前報告書PDFデータ